校長の願成寺優です。生徒の皆さん、保護者の皆様、地域の皆様、そして同窓生の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。私自身も昭和56年卒の本校の卒業生です。新型コロナウイルス感染症拡大の中で、学校生活にも様々な制約が生まれておりますが、正しい知識と正しい行動による感染防止対策を図りながら、充実した学校生活を送れるよう、一人一人を大切にする教育活動を実践していきたいと思います。  

 本校は「魅力ある進学校を目指して」という重点努力目標を掲げ、ただ難関校を目指すだけでなく、豊かな人間性と幅広い教養を身に付ける学校教育を行ってきました。この言葉を重点努力目標から、本校が目指すべき「教育指導方針」とすることにしました。
  そして、新しく今年度の重点努力目標として、『未来を創造し、社会に貢献できる人材の育成 -自らを発信する力・他者と協働する力・自他を寛容する力 -』を掲げたいと思います。未来に無限の可能性を持っている生徒たちが、自己の力で未来を切り開き、未来を創り上げ、その力を社会に貢献できるよう育ってほしいという願いを込めた目標です。
 在校生の皆さんに、具体的に未来を創造する三つの力を紹介したいと思います。
 『自らを発信する力』(臆することなく自分の考えを発信し、他者の意見に素直に共感できる力)
  授業や部活動、学校行事の中で、自分の意見や考えを相手の気持ちに立ってわかりやすく伝える力を身につけてほしいと思います。発信力の基本とは、まずは自分自身を作るということです。他人に語れる自分を作ってほしいと思います。
 『他者と協働する力』(仲間と協力・協働しながら、お互いに高め合うことのできる力)
 主体的、対話的で深い学びとは、このような力のことなのです。友人とともに切磋琢磨して学び合ったり、教えあったり、自ら進んで読書をしたりして、新しい時代にふさわしい学力を身につけてほしいと思います。
 『自他を寛容する力』(考えの違う他者を受け入れ、思いやり、自分自身の失敗も許すことのできる力)
 相手を受け入れるためには、相手を真に理解することが必要です。そして、相手を真に理解するために必要なものは、理性と、知性と思いやりです。相手を真に理解するということこそが、実は「真理」ということなのです。本校の校歌にあります『真理の扉開きなむ~♪』とは、そういうことを訴えているのではないでしょうか。
 最後になりましたが、在校生の皆さんが、未来に羽ばたく人となるために「今、このとき」という言葉を贈ります。明日のために、「今、このとき」。未来のために「今、このとき」。「今、このとき」をどう生きるか。明日羽ばたくために、「今、このとき」を無駄にしない高校生活を送ってほしいと思います。再び校歌になりますが『描く未来へ羽搏かん~♪』とは、そういうことを訴えているのではないでしょうか。「今、このとき」とは、特別なことではありません。いつもの日常生活のことです。「今、このとき」に未来を見ているかどうかで、今の日常生活が変わります。「今、このとき」を本校生の合言葉にしてほしいと思います。
 保護者の皆様、地域の皆様、同窓生の皆様、本校の教育活動に対する御理解と御協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。